
IWC INGENIEUR SL 1832
1976年、伝説的デザイナー ジェラルド・ジェンタがIWCのために設計した「Ingenieur SL Ref.1832」。通称“ジャンボ”と呼ばれるこのモデルは、40mmの大型ケースに、最大80,000 A/m(= 1000ガウス)の磁気からムーブメントを守る3層耐磁ケース、そしてIWCヨットクラブにも見られる耐震構造を採用した、当時としては画期的なハイスペックモデルでした。
しかし当時の市場では、その先進性ゆえに受け入れられず、価格や厚みの影響もあり商業的には失敗。わずか598本のみが生産され、そのまま製造終了となりました。現在ではその希少性と設計美から、ノーチラス、ロイヤルオークと並ぶ“ジェラルド・ジェンタ三大傑作”の一つとして世界中のコレクターから高く評価されています。
2023年にはIWCがRef.1832のデザインコードを色濃く継承した新型「Ingenieur Automatic 40」を発表。さらに2025年にはショートフィルム『The Most Brilliant Failure』をリリースし、Ref.1832の歴史的意義を再検証。「商業的失敗作」ではなく「時代を先取りした革新的挑戦」であったことを改めて発信しています。
今回ご紹介するRef.1832は、アーカイブによれば1977年にデリバリーされた個体。通常は改良型のCal.8541ESが搭載されますが、ごく初期のみに存在するCal.8541Bを搭載した希少な仕様です。
2025年6月にIWCスイス本社にてコンプリートサービス、ライトポリッシュ、部品交換を受け、アーカイブも取得済みです。
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