VACHERON CONSTANTIN OVERSEAS REF. 42042

1970年代、スポーツとエレガンスの融合という新しい概念が時計界に芽生えました。
Audemars Piguetのロイヤルオーク、Patek Philippeのノーチラスと並び、Vacheron Constantinもその流れに応えるべく「222」を発表します。
それから20年後、ヴァシュロン・コンスタンタンはスポーツラグジュアリーの方向性を見直し、1996年に登場したのが「Overseas(オーヴァーシーズ)」でした。
裏蓋には三本マストの帆船〈アメリゴ・ヴェスプッチ号〉が刻まれ、“Overseas=海の向こうへ”というコレクション名の由来を象徴しています。

初代オーヴァーシーズのメンズモデルは、当初Ref.42040(37mm)およびRef.42050(35mm)の2サイズで展開されました。
いずれもムーブメントにはCal.1310が搭載されていましたが、のちに改良型Cal.1311へと更新され、それに伴い型番もRef.42042(37mm)/Ref.42052(35mm)へと切り替えられます。
外観デザインはほぼ共通ですが、ムーブメントの安定性と信頼性が高まり、
製造上の完成度が一段と向上した後期仕様といえるでしょう。

ダイアルはブルー、ブラック、ホワイト、グレー、サーモンの5種類がラインナップされ、
サーモンダイヤルはその中でも生産数が非常に少なく、コレクターズアイテムとして高い人気を誇ります。
本個体は一見するとサーモンダイヤルのように見えますが、実際にはブルーダイヤルが経年変化によってトロピカルブラウンに変色した“トロピカルダイアル”と呼ばれる個体です。
市場には同じようにブルーダイヤルが変色した例がいくつか見られますが、ここまで均一に色調が変化した個体は極めて稀といえます。

ラグジュアリースポーツを象徴するブレスレットには、世代ごとの仕様差が存在します。
初期モデルではスライドロック式の二重構造クラスプを採用し、マルタ十字のロゴをあしらったフリップロックで固定する設計でした。
しかし操作性や耐久性の面で課題があり、後年のモデルではバタフライ式の開閉機構に刷新され、よりスリムで手首への当たりが軽く装着感が向上しています。

本個体も入荷時には初期型のスライドロッククラスプ仕様でしたが、例に漏れず破損が見られたため、2025年にメーカーでコンプリートサービスを実施。その際、ブレスレット一式を新品交換し、現行のバタフライクラスプ仕様へアップデートされました。

37mmの程よいサイズに、僅か9mmの薄型のケース構造。インテグレーションブレスレットによる優れた装着感。そして150mの防水性能を備え、日常のあらゆるシーンに対応する実用性を持ち合わせています。
初代オーヴァーシーズは、スペックだけでなく使い心地まで徹底的に考え抜かれた一本です。見た目の華やかさではなく、機能と構造の完成度が高く、それが、いまもこのモデルが高く評価され続ける理由といえるでしょう

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